モヤモヤをぶっとばせ!

33歳、既婚 子ども1人。会社を1年でクビになり、巻き返しを狙います!この世はなんて生きにくい。この苦しみから脱出したい!

完璧な彼が招く不幸

 主人公の彼女は高校時代に恋心を抱いていた彼がいた。彼は頭もよくスポーツもでき、性格もいい。まさに万能な人だった。彼とは3年間同じクラスで、多少の会話はあったが、親密になることもできず、卒業式を迎えた。彼は都内の有名大学に進学した。彼女は大学入学後も彼のことを忘れることができず、時々フェイスブックを覗き見ていた。
 フェイスブックや名前検索で彼が有名外資系企業に入社したこと、それから5年後には元モデルの女性と結婚したことを知る。
 しかし、それからまもなく結婚した女性が、階段で足を滑らせ、不幸にも死んでしまったことを知った。それは高校時代の友人からだけではなく、一部ワイドショーや週刊誌でもとりあげられた。
 彼女は彼のことを心配していたが、彼が再婚し、仕事も精力的にこなしているという話も聞き、安心した。
 そこから少し時間が経ち、彼女は30半ばに差し掛かった時、札幌転勤の辞令が交付された。初めての地方勤務で不安だったが、期待されたポジションへの昇格だったこともあり、前向きに受け入れた。
 そしてその札幌の地で彼女は彼に再開した。彼は有名外資系企業から国内の大手商社に転職、30代にして札幌支店長という肩書がついていた。彼女の会社の商品を彼の会社が買い付けて法人企業に販売するという工程で、元々の商品にどう付加価値をつけていくかについて一緒に仕事をすることもあった。時々彼自身も会議やイベントに現れた。
 彼も私のことを覚えていてくれており、プライベートでも飲みに行く機会が増えた。意外だったのは彼が離婚し、独身になっていたことである。
 彼女は高校時代の恋愛感情を思い出し、彼に夢中になっていく。しかし、彼の部下で仕事のパートナーの営業から、彼の再婚相手は雪に滑り階段から転落ししたことを聞かされる。
 不審
に思った彼女は彼のことを調べていく。しかし、調べても悪い評判はほとんどでてくることなく、むしろ彼のこと知るたびに彼を思う気持ちは強くなっていった。
 彼女自身の仕事はうまくいっていなかった。上司や同僚からの期待はやがて失望へと変わっていった。彼に助けられなんとか売り上げは順調だったが、そのこともやがて根枕営業ばかりしている女というレッテルを貼られ、居場所はなくなっていった。
 彼からプロポーズされたのはそんな時だった。彼女はプロポーズを受け入れ、結婚生活がスタートする。まもなく妊娠し、仕事は退職することに決めた。
 しかし、そのころから彼の様子に異変を感じ始める。それは彼女のピンチのスタートであった。

 

続く。